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Startup Weekend 釧路が、“初めの一歩”になる理由「もっと早く知りたかった、SWのこと」

公開日 2026年6月1日

Startup Weekend Kushiro

本番イベント

2026/6/19 (金) - 2026/6/21 (日)

Startup Weekend 釧路(以降、略称「SW釧路」)は、週末54時間でアイデアを形にする起業体験イベントだ。

1分間ピッチで仲間を集め、チームで議論し、最終日にビジネスアイデアを発表する。さらに、その経験をもとに、自分の仕事や活動の幅を広げていく人もいる。

今回お話を聞いたのは、SW釧路の参加者であり、のちにオーガナイザーにも加わった佐藤 直樹さん(通称:なおくん)。市内企業でイベント企画・運営や動画制作に関わりながら、個人ではYouTube制作、さらに謎解き制作「トランク」としても活動している。

インタビューの冒頭、なおくんはStartup Weekendを一言でこう表現した。

「初めの一歩を、サポートしてくれる場所」

自分自身が何かを変えたいと思っていた時に、SWを知って参加し、運営に携わるうちに、仕事にもつながる人間関係を得られた。そんな彼ならではのエピソードをお聞きした。

#1. きっかけは「オーガナイザー募集」だった

佐々木:SWに最初に関わったキッカケって、SWとは別のイベントで、運営メンバーのひとりに出会ったからだとお聞きしました。

なおくん:そうですね。ちいクラ(地域クラウド交流会)で、かすみ姉さんがSW釧路のオーガナイザーを募集してたんです。そこで「オーガナイザーやりたいです!」って言ったら、「まずは1回、参加してね」って言われて(笑)。それで第2回の釧路開催に参加して、運営に入る流れでした。

佐々木:初参加当時の心境を振り返ると、どういった感情・環境が大きかったですか?

なおくん:「今のこの停滞したところから、何か変えたいな」みたいな時期は、誰にでもあるとは思っていて。それで、見つけたのが、まあ、SWだったのかなって。

佐々木:2023年が初回参加となると、当時は25歳くらいの頃ですよね?

なおくん:就職してはみたものの、あんまりこう、企業さんによっても違うとは思うんですけど、自分から何かをチャレンジする機会があまり少なくて。

佐々木:う〜ん、確かに、固定業務を黙々と繰り返していると、このまま過ごした時に訪れる自分の将来に対して、漠然とした不安を感じたりします。

なおくん:今思うと、ちょっと停滞してた時期だったのかなと。「これでいいのかな、みたいな、ふわっとした思い」と「何か変えたいな」っていう気持ちはあった。

この言葉には、思わず共感する人が多いのではないだろうか。

社会人になって、仕事にも少し慣れた。でも、このままでいいのだろうか。

強い不満があるわけではないけれど、何か新しい刺激や挑戦が欲しくなる。

彼にとって、そんな時に現れた光の一筋がSWだった。

#2. 最初の参加時は、正直あまり収穫がなかった

インタビューの中で意外だったのは、初回参加についての率直な振り返りだった。

第2回釧路SWが初参加だったが、プレイヤーとしては実は少し消化不良だったという。

なおくん:初回参加の時は、かなりアイデアができたチームに入ってしまったので、正直、自分としては3日間を過ごしただけ、みたいな感じがありました。収穫がなかったなと感じた部分もあります。

佐々木:SW釧路メンバー、基本的にポジティブすぎるくらい前向き思考な人も多いので、そういった感想が聞けて……むしろ何というか、インタビュアーとしてはありがたいな。

なおくん参加者としては、ちょっと不完全燃焼だったんですけど。でも、運営側として見ると、やっぱり面白かったんですよね。

佐々木:運営側に回ると、また全然違う世界で面白いですよね。初回のプレイヤー参加時と、2回目以降とでは、また違った感想になりましたか?

なおくん:初回は「ふわっとした思いがぶつけられる場所があったのが、かなり助かったかな」っていう感想ですかね。みんなでイベントをつくる経験ってあまりなかったし。参加者として数回経験した上でも「やっぱり、良いイベントだな」と思いました。

SWは、プレイヤーとして楽しむだけの場ではない。運営として入ることで見えてくる面白さ・学びが溢れている。スポンサーを集め、会場を押さえ、コーチやジャッジを依頼し、プレイヤーを集めて、ようやく初めて3日間が成立する。

プレイヤーとして満足できなかったから「初参加で終わり」ではなく、「運営側に立つ価値がある」と視点を変えたから、彼は運営として関わり続けた。

#3. 自分のアイデアでチームが生まれ、優勝した!

これまでに参加した各地のSWにおいて、「印象に残っている瞬間は?」と質問してみた。

なおくん:毎回印象は違うんですけど、「自分の考えたアイデアが優勝した回」が一番印象にあります。

佐々木:どんなビジネスアイデアで、最終的にピッチをしたんですか?

なおくん:「寝癖直し」って大体の成分が水なんですよね。だから「水以外の成分だけ凝縮して家で混ぜたら、持ち運びのコストも運搬コストも減るからいいんじゃない?」っていうアイデアをやって、優勝しましたね。

佐々木:なるほど!ちなみに、その時のチームメンバーは、どんな顔ぶれだったんですか?

なおくん:就労支援施設の方と、旭川市役所の新事業開発っぽい部署の方と、自分の3人でした。40代の方が2人で、自分が一番下。年上の男性と一緒にアイデアを練る機会ってあまりなかったので、かなり良い経験でしたね。

普段の生活では交わらないような世代・職種の人と、ひとつのテーマを本気で練る。

しかもそれが、自分のアイデアに共感して、集まってくれた仲間たち。

その繋がりは、単なる「知り合い」で終わらないことも多い。彼自身も、その後の活動や仕事の中で、SWで得た仲間と現在も様々なアクションを進めている。

#4. スキルを生かした、YouTube動画作成・謎解き制作!

佐々木:普段のお仕事って、どんなことをしているんですか?

なおくん:市内の企業に勤めながら、イベントの企画・運営をやっています。あとは、そのイベントを撮影して編集して「こんなイベントやりましたよ」という形で外に出す所まで。個人ではYouTube制作もしていて、編集した動画や写真をクライアントに納品しています。

佐々木:現地撮影も編集もしてくれるのって、依頼主側としてはありがたいですよね。個人の動画制作において、仕事を得るまでに参入障壁はあった?

なおくん:本業の中でも撮影や編集はしてるんですけど、それを生かして個人でも何かやりたいなと思って、YouTube制作を始めました。今はスキルも習得しやすい時代なので、やり始めるハードルも低かったですね。

佐々木:最近は、お仕事として、新たに謎解き制作の仕事も受けていると聞きました。

なおくん:謎解き制作は、これ、なかなか難しくて...。会社ではなく、団体という形でやってるんですけども。このスタートアップウィークエンドの運営メンバーにも複数人、潜んでおりまして(笑)

会社の中だけで完結するのではなく、自分個人としても何かを持っていたい。

だから先ずは、参入ハードルが低く、かつ、自分の経験・スキルを活かせる仕事をえらぶ。一人で出来ないことは、仲間を集めてチームで取り組む。

“自分の足場”を固めるためのアクションは、ビジネスを確立する上で、かなり重要だ。

いきなり独立しなくてもいい。副業でも、個人受注でも、千里の道も一歩から!

#5. 謎解き制作チーム「トランク」の誕生秘話

なんと現在、謎解き制作をする副業もしているという。その実態とは?

佐々木:謎解き制作が趣味ではなく、今や案件として引き受けるようになるまでには、具体的には、どういったプロセスを経たんですか?

なおくん:そうですね、「謎解きが好き」っていうのはチラホラ言っていて。個人の趣味として謎解きを作って友達にやってもらう、っていうのは、ぼちぼちあったんですけど……。

佐々木:なおくんと私は数年前から友達ではあるので、かなり「猟奇的なレベルの謎解き好き人間」だなという認識だけはしてました(笑)

なおくん:猟奇的(笑)そうですよ。とある企業さんが「謎解きを作れる人を探しているらしい」と、小野寺さん(SW釧路運営メンバー)の方にまず相談が来て。そこから、謎解き好きなメンバーがギュッと集まって、トランクが誕生したというエピソードがございます。

佐々木:つまり、ライスワークが別にあり、ライフワークとして謎解きが存在している?

なおくん:そうですね、本当に好きが高じて。ありがたいことに。きっかけは「企業さんの懇親会で使える謎解き作れないか?」っていうので、1個お試しでというか、一生懸命作ったんですけど、その話を聞いた方が「おっ、じゃあこれも」みたいな依頼に繋がって。

佐々木:最初の実績が噂になり、口コミ・紹介から次の仕事を得た流れなんですね。

なおくん:そうですね、うちの営業担当が、かなり優秀だったのもあるんですけど!(笑)

佐々木:チームメンバーの皆さんとは私も面識がありますが、お世辞じゃなくて本当に、みんな仕事が出来る。しかも、めちゃくちゃ得意分野が違って、バランスが良いなと思う。

なおくん:やっぱり、こういうSWのようなイベントに参加する人は、1回は闇の時代を経て光に進んでいくっていうことがあって、かなり(笑)

佐々木:一度は闇を経験した方が、人間に深みっちゅうもんが生まれるということかな?

なおくん:深まりますよ。例にも漏れず、もやしくんも多分、SWプレイヤーとして初回参加した時には、闇を経験していたかとは思うんですけど……(※この話は、次回のもやしくんのインタビュー公開まで、お楽しみに!!)

謎解き制作チーム「トランク」には現在、4人のメンバーが所属している。

小野寺さんが営業面を担い、なおくんがアイデアを出し、サイトウくんが言語化して作品として仕上げ、もやしくんがシステム開発を担当していく流れ。

一人ではなく、チームで作る。SWでも非常に大切にしている要素だ。

#6.「 ITを生かした謎解き」は、地方だからこそ強い!

しかも、謎解き制作において、IT技術を積極的に取り入れているのだそう。

なおくん:地域の小さい謎解き制作団体って、情報システム的な部分を持っていないことが多いと思うんです。そこを自分たちで作っていけるのは強みかなと思っています。業者としてもプログラムを使えば、カンニングとかも基本不可になる。

佐々木:ああ、それは大きな進歩だし、信頼性も上がりそう。新時代の謎解きですね!

なおくん:大企業には自社に外に出さないようなプログラムとかあると思うんですけど、自分たちの謎解き制作団体にはそれが無い。そこがかなり強みなのかなって考えています。

佐々木:北海道・釧路エリアで戦うとなると、競合優位性がありそうですね。今後の謎解き制作予定も、ぜひ差し支えない範囲で教えてもらえますか?

なおくん:まだ詳しくは言えないんですけど、「食べたものと謎解きが関わってくるような、没入感のある体験」を作ろうとしています!

佐々木:食と謎解き、面白いテーマですね!釧路開催イベントとして企画中なんですか?

なおくん:「霧フェス」に出店する形で、僕たちトランクが作った、”しっかり部屋に閉じ込めて脱出してもらう” 謎解きを制作していますので、乞うご期待!!

釧路においては、ITやデジタルの強みを掛け合わせた事業がまだ少ない。だからこそ、価値がある。このチームは、戦う市場・エリア、競合優位性を見定める力を持ち合わせている。

その裏には、SWによって広がった縁があると思うと、運営側としては胸が熱くなる。

#7. いい経験になるはずだから、「やってみんしゃい」

SWを運営してていて良かったなと感じた出来事や、様々な地域のSWに参加した思い出について、いくつか具体的なエピソードもお聞きすることができた。

なおくん:前回の帯広のリードオーガナイザーの人が釧路に参加してくれたんだけど、その時に、「釧路に参加したから、帯広SWが開催できたと言っても過言ではないです」って言ってくれたのがすごい心に残りましたかね。

佐々木:んー、それは本当に嬉しい〜!帯広の学生さんも釧路SWに参加してくれて、帯広へ熱量を持って帰ってくれましたね。他に、プレイヤーとしての感想・エピソードはある?

なおくん:SW参加してから毎回思うのが、「もっと早く知りたかったな!」なんです。だから、一旦まず早めに参加してみて、合わなかったら合わなかったでいいかなと思います。

佐々木:んー、それは本当にそう。完全同意です。

なおくん:イベントを1から作る経験って、学生のうちは中々ないと思うので。失敗しても特に何もないし、いい経験になると思うから、「やってみんしゃい」って感じですかね。

給与を貰っている仕事の場だと、失敗には責任やコストが伴う。

でも、SWにおいては、たとえ失敗しても人事査定が下がることはない。

だからこそ、安心して学生も社会人も、起業体験やイベント運営経験が出来る。

彼自身、その意義を知っているから、人を巻き込む時にもその言葉が出てくるのだ。

#8. 「SW釧路を、年1回だけで終わらせたくない」

最後に、これまでのSW経験を踏まえての、今後の展望もお聞きした。

佐々木:ちなみに、各所でのトータルSW参加回数は何回なんですか?

なおくん:参加回数は4回で、釧路、旭川、苫小牧、帯広ですかね。

佐々木:純粋なプレイヤーのみの経験回数としては、私より多いかも。

なおくん:やっぱり、プレイヤーの方がヒリヒリして面白いですけどね(笑)

佐々木:わかる!(笑) 運営してても最終日だけ見学してても、なんか、段々うずうずして、自分もピッチやりたくなっちゃう。今後、もっとこういうことをSWでやっていきたい!って気持ちはあったりしますか?

なおくん:今後の展望としては、釧路SWって現状は年1回の開催なんですけど、それをなんかどうにかこう、頻度を増やして、「次いつやるの?」って聞かれた時に、「来年です」じゃなくて、「近々あるよ」って言えるようにしたい気持ちはあります。

もちろん、スポンサー集めやオーガナイザー確保など、現実的な課題は多い。実際、なおくん自身もインタビューの中で「言うだけタダ」と笑っていた。しかしながら、口に出すことは、実はかなり重要だ。どこの誰が、この記事を見ていてくれるか分からないのだから。

#9. そこのアナタも「オーガナイザーになってみないか」

最後に、本記事の読者に向けた熱量マシマシのラブコールをいただいた。

なおくん:崖から飛び降りるのがスタートアップだって聞いたから、その間に襟を正しながら着地!年2回の開催を実現するには、やっぱりオーガナイザーの方もどんどん増やしていかないとな、とは思っているので……熱くしていきましょう!

佐々木:ですね!この記事を見ている君!高専生でなくても勿論、大歓迎です。

なおくん:そう、見ている君、お願いします!ぜひオーガナイザーに!そこのアナタも、そこのアナタも、オーガナイザーになってみないか。

年2回の釧路SW開催が実現するかどうかは、まだ分からない。

でも、少なくとも、彼はもう「参加者の一人」ではなく、

どうやってSWを進化させるかを考える、次世代のオーガナイザー”になっている。

編集後記

今回のインタビューで印象的だったのは、彼自身の紆余曲折のエピソードだ。何かを変えたいと思っていた時にSWに出会い、プレイヤーとして参加し、消化不良でも運営として関わり続け、その先で仲間や新たな仕事を得た。

最初から完璧な成功体験ではなかった。でも、いいイベントだと思えた。

その経験があるから、未経験の人へ、客観的な参加メリット&デメリットを伝えられる。

何か新しいことを始めたい。

でも、いきなり大きな挑戦は怖い。

そんな人にとって、SWは「初めの一歩を支えてくれる場所」となっている。

飲食代もペイできて、色々な人にも出会える。

「アナタの人生の54時間を、SW釧路に投資する」

そんなエキサイティングな週末、いかがでしょうか?

Profile

佐藤 直樹(さとう なおき) SW釧路の参加者であり、オーガナイザー。市内企業でイベント企画・運営、撮影・編集などに携わる一方、個人ではYouTube制作や謎解き制作チーム「トランク」としても活動している。SWや地域のイベントを通じて出会った人たちとともに、新しい企画や体験を釧路で生み出し続けている。

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  • 講師は NPO法人 StartupWeekend 理事の中本 卓利さんです。

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  • 初日のピッチから始まり、共感した仲間とチームを組んで最終日に発表します。
  • 会場はペンギンファーム(釧路市北大通三丁目7番3号)です。
  • 3日間参加の方には五食と飲料が付き、途中参加・途中退出にも対応しています。

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